活動内容

医療技術研修

JICA集団研修「臨床検査技術コース」感染症の適切な診断のための微生物検査

Ⅰ.はじめに

開発途上国において、感染症対策は今なお最重要課題です。本財団では、設立当初から感染症の診断に必須な臨床検査技術を主要な研修事業として位置づけ、1988年から独立行政法人 国際協力機構(JICA)の委託を受け今日まで継続しています。研修実績として86カ国から322名の臨床検査技師が本コースを卒業しています。

修了研修員内訳

アジア :18カ国 85名
アフリカ:28カ国 118名
中南米 :19カ国 61名
大洋州 :11カ国 40名
中 東 :  6カ国 14名
欧 州 :  4カ国 4名

Ⅱ.研修コースのねらい

本研修コースは、感染症の適切な診断や治療にとって不可欠な臨床検査である微生物検査の技術と知識を習得するものです。臨床検査なくして現代医療が成り立たないことは言うまでもなく、感染症診療においては良質な微生物検査情報の提供がきわめて重要です。そこで、新しい研修コースでは、良質かつ一定水準の検査に必要な標準的な検査法、検査の品質管理、院内感染症対策における微生物検査室の役割などの検査室の管理、運営をねらいと致しました。従って、研修員はその国の基幹となる医療機関または検査施設において実務を担当する責任者とし、帰国後の技術移転が円滑に行える人材を選定しています。2017年度はガーナ、ガボン、ケニア、サモア、ミクロネシア、 マーシャルから研修員を受け入れました。

Ⅲ.参加資格要件
  1. 国または地方の基幹医療機関もしくは診断部門と連携できる微生物検査に勤務する者で、微生物検査業務に従事する技師、医師、薬剤師もしくは看護師で、研修で習得した技術及び知識の普及を実行可能な責任ある立場にある者

  2. 研修に必要な英語能力を有する者

  3. マイクロソフト・オフィスソフトウェアの使用を含む基礎的なPCスキルを有する者

  4. 心身ともに健康で支障なく研修生活を送ることができる者

  5. 軍籍にない者

Ⅳ.研修コースの内容

研修内容を表に示しました。コースは講義と病院実習の大きく2つの柱で構成しています。病院実習では、講義で得た知識を体験、確認します。標準的な微生物検査法のほか、検査室スタッフのトレーニング、感染症対策に必要な微生物検査情報の収集と提供について実習します。また、遺伝子検査や臨床検査室の国際標準規格であるISO 15189による標準操作手順書の作成法をの作成法、及び精度管理を演習します。JICAが提供するプログラムとして、自身が行っている保健医療分野の協力、保健医療システムにおける臨床検査の役割及び「カイゼン」アプローチの講義があります。

講義 感染症の疫学,標準的な微生物検査法(血流,中枢神経系,呼吸器,尿路,腸管感染症),薬剤感受性検査,抗酸菌検査,遺伝子検査,ISO 15189による検査の品質管理,微生物検査のトレーニングとスキル評価,疫学統計,病院感染対策の基礎と微生物検査室の役割
病院実習 標準的な微生物検査法,スタッフのトレーニング, 感染対策における微生物検査情報の収集と提供
洗浄・滅菌実習 サクラ精機株式会社 教育センター
演習 遺伝子検査,標準操作手順書(SOP)作成、精度管理
見学研修 国立病院機構 呉医療センター
発表会・報告会 ジョブレポート,研修報告会
その他 JIMTEFオリエンテーション,健康診断,JICA が提供する保健医療関連プログラム,評価会,修了式

大学医学部附属病院検査部での研修風景

2017年度研修日程(PDF)

本邦実習受け入れ機関
  • 国立国際医療研究センター病院
  • 国立病院機構 東京医療センター
  • 済生会横浜市東部病院
  • 埼玉県済生会川口総合病院
  • サクラ精機株式会社
  • 順天堂大学医学部附属順天堂医院
  • 東京大学医学部附属病院
  • 東京都済生会中央病院
  • 日本医科大学多摩永山病院
  • 日本大学医学部附属板橋病院
  • 立正佼成会附属佼成病院

(50音順)

これまでに海外研修員を受け入れて頂いた医療機関・実習施設一覧

Ⅴ.むすび

感染症対策は開発途上国のみならず世界共通の課題となっており、2016年5月開催のG7 伊勢志摩サミットにおいて主要議題として取り上げられました。
これまでの研修内容をさらに改善し、一層充実した研修コースを実現してまいる所存です。

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