活動内容

日本歯科技工の国際貢献&海外展開

はじめに

2015年10月26日~29日、小西恵一郎代表理事及び日本歯科技工士会専門家をベトナムへ派遣し、現地ニーズを見聞したところ、日本歯科技工の技術移転の必要性を確認致しました。

覚書(MOU)の締結

2016年3月16日 首都ハノイ

2016年3月16日、ベトナムの首都ハノイを訪問し、ベトナムの国民歯科医療制度における歯科補綴技術分野で実績のある日本歯科技工の活用を議題に同国の国立中央歯顎顔病院のチン・ディン・ハイ院長と会談した際、同氏曰く、「ベトナム国民の健康増進の一環として一緒に共催したいので歯科技工に関するセミナーを是非当地で開催してほしい」との要請があり、将来、日本歯科技工をベトナムへ普及させるために覚書(MOU)を締結しました。

WHOが提唱しているユニバーサル ヘルス カバレッジの理念のもと、ベトナムにおける歯科技工分野で相互に協力し、日本の医療技術サービスがベトナムの歯科医療の向上及び人材開発に寄与することを目的としたMOUに、公益財団法人 国際医療技術財団 理事長の小西恵一郎代表理事らがそれぞれ署名しました。

  • 国際医療技術財団、日本歯科技工士会、ベトナム国立中央歯顎顔病院の三者代表が「歯科技工分野における医療協力に関する協定書」(MOU)を締結
  • 歯科技工分野における医療協力パートナーシップに関して基本合意
  • ベトナム国立中央歯顎顔病院をカウンターパートナーとして選定

日本側主催者 小西代表と握手するベトナム側主催者 ハイ院長

専門家の派遣

2016年8月22日~26日  首都ハノイ、ホーチミン

派遣者 杉岡 範明(日本歯科技工士会会長)
金井 孝行(日本歯科技工士会常務理事)
派遣先 ベトナム国立中央歯顎顔病院
ホーチミンとハノイの市中歯科技工所
目的 ベトナム歯科技工所の現状を視察
世界歯科学術大会における各国歯科専門家との意見交換

視察団の招聘

2016年10月6日~8日   本邦 東京

視察団 ベトナム国立中央歯顎顔病院長等歯科医師3名と歯科技工士2名
視察先 東京医科歯科大学及び同附属病院歯科技工所
目的 本邦の現状認識と日本歯科技工導入に向けての課題協議

小西理事長から修了証書を授与された5名のベトナム歯科技工研修生

ベトナム国際セミナー

2017年3月2日 首都ハノイ

医療の向上に貢献する日本歯科技工

主催 公益財団法人 国際医療技術財団
公益社団法人 日本歯科技工士会
公益財団法人 国際開発救援財団
ベトナム国立中央歯顎顔病院
ベトナム歯科口腔協会
後援 日本国政府外務省
会場 首都ハノイ ホテル・ニッコウ・ハノイ
参加者 90名(日本側15名、ベトナム側75名)

プログラム

8:30 開会セレモニー
[日本側主催者挨拶]
小西 恵一郎  公益財団法人  国際医療技術財団理事長
公益財団法人  国際開発救援財団理事
[ベトナム側主催者挨拶]
チン・ディン・ハイ ベトナム国立中央歯顎顔病院長
[来賓挨拶]
国際協力機構 ベトナム事務所次長
ベトナム政府保健省国際協力局長
10:00 基調講演「健康増進に貢献する日本の歯科技工」
夏目 克彦 公益社団法人 日本歯科技工士会専務理事
13:30 シンポジウム「歯科技工医療の課題と展望」
座長 西澤 隆廣 公益社団法人 日本歯科技工士会副会長
【1】 「日本の歯科技工の臨床」―企業展示
金井 孝行 公益社団法人 日本歯科技工士会常務理事
【2】 「ベトナム歯科技工の現状」
ファム・タン・ハ ベトナム国立中央歯顎顔病院 トレーニングセンター所長
16:00 総括合同会議
小西 恵一郎 公益財団法人 国際医療技術財団理事長
チン・ディン・ハイ ベトナム国立中央歯顎顔病院長
西澤 隆廣  公益社団法人 日本歯科技工士会副会長
17:25 宣言文採択

国際セミナー会場風景

アンケート結果
歯科技工のどの技術分野についてもっと知りたいですか?
  1. 審美補綴技術

  2. 補綴物の物理的・生理学的・化学的特徴

  3. 義歯床設計・制作技術

  4. CAD及びCAMの3D (3次元)化

  5. インプラント歯科補綴技術

  6. 可撤性義歯製作のための材料の特徴と技術

  7. 金属材料に代わる歯科材料

  8. 補綴における咬合技術

  9. 補綴物の洗浄及び滅菌

  10. 美容歯科の理論と実践

ベトナム歯科技工医療について課題や意見がありますか?
  1. ベトナム歯科技工士会の設立

  2. アジア太平洋地域歯科技工士連盟協議会のメンバー入り

  3. 最新技術へのアップグレード

  4. 歯科技工士のトレーニング研修センターの設置

  5. 歯科技工士と歯科医師間での補綴データのデジタル化

  6. 最新の歯科技工機材の導入

ベトナム国際セミナー共同宣言
  • 私たちはお互いの保健医療制度を尊重します。
  • 私たちは日本の歯科技工医療がベトナム国民の健康増進に寄与することを目指します。
  • 私たちは歯科技工医療に関する医療技術協力プロジェクトを企画立案し、双方が協力して実践します。

首都ハノイ 2017年3月2日

国際セミナー主催者・日本側専門家

本セミナーでは、公益財団法人 国際医療技術財団小西惠一郎理事長からセミナー開催の趣旨及び意義についての演述があり、続いて日本人歯科技工専門家による講義とデモンストレーションを行いました。尚、本セミナー中は、多くの参加者がその講義や施術を写真やビデオに収め、また日本の歯科技工を理解するための多くの質問が投げかけられました。

また、本セミナーで歯科技工関連の日本製品を説明し、紹介しました。セミナー参加者からは高度な歯科技工技術と最新の歯科材料に高い関心が示され、ベトナム歯科医療での実践に大きな期待が寄せられました。

セミナーの成果と将来の展開

  1. ベトナムで最初の日本歯科技工に関するセミナーとなり、同国政府保健省はこれを高く評価し、 ベトナム国立中央歯顎顔病院は、将来、日本歯科技工を導入し、普及していきたい旨を表明しました。

  2. セミナー参加者からは高度な歯科技工技術と最新の歯科材料に高い関心が示され、ベトナム歯科医療での実践に大きな期待が寄せられました。

  3. 国際セミナー主催者並びに参加者全会一致で共同宣言が採択されました。

  4. 政府開発援助(ODA) や民間助成資金等の活用を図り、歯科技工に関する技工所を開設し、ベトナムの歯科技工のさらなる向上に貢献します。

  5. 歯科技工医療協力プロジェクトを企画立案するために2017年11月に歯科技工士をベトナムへ派遣し、歯科技工所の設計と歯科技工士の指導者養成トレーニングコースのカリキュラムについて協議します。

日本歯科技工指導者トレーニングコースの開設

開催日 2019年2月18日(月)8時30分~16時15分
    2月19日(火)8時30分~16時30分
会場 ベトナム国立中央歯顎顔病院
主催者 公益財団法人 国際医療技術財団
公益社団法人 日本歯科技工士会
ベトナム国立中央歯顎顔病院
公益財団法人 国際開発救援財団
参加者 ベトナムの歯科技工技術者及び歯科医師 約60名

ベトナムの歯科技工所で補綴物を制作するベトナム人研修生

研修内容

18日(月)
 8:30   挨拶 小西 惠一郎代表理事
 9:00   講 演①
10:35   講 演②
13:30   SCM レクチャー
14:15   A. SCM 実習
15:45   質疑応答
19日(火)
 8:30   フェイスボウ レクチャー
 9:00   B. フェイスボウ 実習
10:00   チェックバイト レクチャー
10:30   C. チェックバイト 実習
13:30   咬合器 顆路調整 レクチャー
14:15   D. 咬合器 顆路調整 実習
15:45   質疑応答

ベトナムの歯科病院で歯科技工技術者に指導する日本の歯科技工士

国際歯科学会での特別講演

2019年8月21日 ベトナムで開催されたベトナム国際歯科学会(Vietnam International Dental Exhibition & Conference)へ、ベトナムの歯科技工技術者及び歯科医師の技術と知識の向上を目指して歯科技工分野で世界的に著名な日本歯科技工士会会員の桑田正博氏を講師として派遣しました。メイン会場での特別講演「歯科用陶材:過去、現在、そして未来における補綴学」に多くの歯科技工士、歯科医師が聴講し、大変高い評価を得ました。

ベトナム国際歯科学会 特別講演

日本歯科技工の指導者トレーニング及び修了証書の授与

開催日 2020年2月10日(月)、2月11日(火)
会場 ベトナム国立中央歯顎顔病院
参加者 ベトナムの歯科技工技術者及び歯科医師約20名

顎顔面補綴のデモンストレーション

 

日本の歯科技工士による顎顔面補綴の講義とデモンストレーションを行いました。
ベトナムにおいてはバイクや車の増加による交通事故が多発し、顔や顔周囲の骨や組織が失われ、社会生活に大きな支障をきたしています。この課題解決に必要な補綴装置の製作技術に高いニーズがあり、参加者から大きな反響がありました。

2019年2月、8月、そして今回の3回にわたる研修修了者に国際医療技術財団と日本歯科技工士会から修了証書を授与しました。

日本歯科技工 修了証書の授与

 

ベトナム国立中央歯顎顔病院からこれまでさまざまな研修を通して、ベトナムにおける歯科技工のニーズの把握に努めるとともにベトナム人歯科技工技術者の技術と知識の向上を図ってきた実績のある本財団へ同分野における継続的な研修とともにベトナム全国の歯科技工技術者や歯科医師が受講できる研修の機会を設けてほしいとの要請があり、2020年秋に日本歯科技工セミナーの開催を計画することとなりました。

 

開催日 2020年 12月23日、24日
会場 ベトナム国立中央歯顎顔病院
参加者 ベトナム国立中央歯顎顔病院の歯科技工技術者及び歯科医師20名

研修内容

23日(水)
開講のご挨拶
小西 恵一郎 国際医療技術財団 理事長
Dental Technologist, CAD/CAM Technology, & Future Value
佐野 隆一 株式会社 ラボコミュニケーションズ 代表取締役
咬合の重要性
森野 隆 日本歯科技工士会副会長
エピテーゼ(顎顔面補綴)
西川 圭吾 北海道大学病院 歯科診療センター生体技工部 技工士長
24日(木)
開講のご挨拶
杉岡 範明 日本歯科技工士会会長
ベトナム国立中央歯顎顔病院 ビン院長
審美歯科
関 克哉 株式会社Beaux Arts Dental Lab 代表取締役・ GC initialインストラクター
歯科技工におけるCOVID-19(新型コロナウイルス感染症感染症)を含めた感染症対策
大西 正和 大阪大学 非常勤講師(歯学部附属歯科技工士学校)・広島大学 客員講師 (歯学部口腔健康科学科口腔工学専攻)

オンラインでのデモンストレーション

 

開催日 2021年 2月24日、25日
会場 ベトナム国立中央歯顎顔病院
ベトナム国家大学歯学部
参加者 ベトナム国立中央歯顎顔病院の歯科技工技術者及び歯科医師40名
ベトナム国家大学歯学部教員(歯科医師)約20名、歯学部学生約150名、他大学歯学部教員(歯科医師)5名
民間歯科技工所 歯科技工技術者5名

研修内容

24日(水)
State-of-the-Art Dental Technology
菅原 克彦 有限会社ケイエスデンタル 代表・東北歯科技工専門学校研修科非常勤講師・新横浜歯科技工専門学校非常勤講師・新東京歯科技工士学校非常勤講師
知識で変わる歯の形
伊原 啓祐 鶴見大学歯学部歯科技工研修科
25日(木)
良質な欠損補綴治療を目指すためのコミュニケーション力
片岡 均 日本歯科技工士会 理事
顔面補綴 -エピテーゼについて-
西川 圭吾 北海道大学病院 歯科診療センター生体技工部 技工士長

ベトナム国立中央歯顎顔病院の歯科医師と歯科技工技術者

 

開催日 2021年 11月15日、16日
会場 ベトナム国立中央歯顎顔病院
ベトナム国家大学歯学部
参加者 ベトナム国立中央歯顎顔病院の歯科技工技術者及び歯科医師55名
ベトナム国家大学歯学部教員(歯科医師)約20名、歯学部学生約260名、他大学歯学部教員(歯科医師)約20名

研修内容

15日(月)
耐火模型法によるポーセレンラミネートベニア
吉澤 和之 株式会社 オーリアラ 代表取締役
スタビライゼイションスプリント-その設定と調整の基準-
小出 馨 日本歯科大学新潟生命歯学部歯科補綴学第1講座 教授
16日(火)
Biofunctional Prosthic System
佐藤 貴映 ひかり歯科クリニック 院長・ラオス国立ヘルスサイエンス大学歯学部 客員教授
歯科保健における歯科技工提供体制の概観
下澤 正樹 日本歯科技工士会日技常務理事

ベトナム国家大学歯学部の教員

 

開催日 2022年 2月21日、22日
会場 ベトナム国立中央歯顎顔病院
ベトナム国家大学歯学部
参加者 ベトナム国立中央歯顎顔病院の歯科技工技術者及び歯科医師60名
ベトナム国家大学歯学部教員(歯科医師)12名、歯学部学生約260名、他大学歯学部教員(歯科医師)約30名

研修内容

21日(月)
総義歯(complete denture)の総論
戸田 篤 デンタルデザイン・デイズ 代表
臨床における総義歯の排列(arrangement)のやり方
戸田 篤 デンタルデザイン・デイズ 代表
22日(火)
診査診断に基づく咬合の与え方~シークエンシャルオクルージョンの考えを臨床に取り入れる~
前川 泰一 前川デンタルラボラトリー 代表
「学際的臨床総義歯学 〜義歯製作のガイドライン〜」
佐藤 幸司 佐藤補綴研究室

臨床における咬合の診査診断のデモンストレーション

開催日 2022年 10月27日、28日
会場 ベトナム国立中央歯顎顔病院
ベトナム国家大学歯学部
参加者 ベトナム国立中央歯顎顔病院の歯科技工技術者及び歯科医師並びに
ベトナム国家大学歯学部教員(歯科医師)及び歯学部学生約130名

研修内容

27日(木)
総義歯製作の基礎知識及び実演
石川 功和 日本歯科技工士会 常務理事
28日(金)
リンガライズドオクルージョン(デンチャースペース)を考慮した総義歯製作
森野 隆 日本歯科技工士会 会長
石川 功和 日本歯科技工士会 常務理事

日本の歯科技工士と国立中央歯顎顔病院の歯科技工技術者との意見交換

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