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戦後、日本は世界各国から多くの支援を受け、国民が一丸となって復興に努力した結果、経済大国として国際社会において現在の地歩を築くことが出来ました。日本は1954年のコロンボ・プランに加盟以来、自らの国土の開発と経済発展の経験を生かしつつ、これまでに185カ国・地域の開発途上国に対する援助を実施し、その発展に寄与するとともに、国際社会の一員としての責務を果たしてきました。グローバル化の進展するなかで、各国間の相互依存関係がますます強まり、開発途上国の発展は世界の平和と安定にとって大きな課題となっていますが、環境やHIV/AIDSなどの地球規模での課題の解決にあたり、地球市民の一員として開発途上国に対する一層の支援が求められています。また開発途上国において、近年著しく増加しつつある内戦やテロなどの紛争の激化は、持続的な発展を妨げ国土の荒廃と絶対的貧困を招いています。21世紀の国際社会を担う私たちは、人間の尊厳と生活基盤の安定や自立、疾病、貧困、紛争などからの「命の安全」を守り、多様性のある文化や価値観を育て、豊かな人間社会を構築する上での基盤となる「人間の安全保障」が守られる必要があります。
開発途上国に対する日本政府の保健医療協力は、地域保健の整備拡充やプライマリ・ヘルス・ケア、母子保健、人口家族計画、栄養改善、HIV/AIDSやポリオ、結核、SARSなどの感染症予防対策、身体障害者のリハビリテーションなどの基礎的医療分野や難民に対する医療活動、医師や臨床検査技師、薬剤師、診療放射線技師をはじめとする医療技術者の育成に重点がおかれております。したがって、こうした基礎的医療分野における医療協力事業を効果的に促進していく上では、本財団の対象とする医療分野の果たす役割もますます重要となりつつあります。
財団法人 国際医療技術交流財団は、1987年10月31日、公益法人として創立され、初代理事長を創設者である故渡辺美智雄元内閣副総理兼外務大臣にお引き受けいただき、医療関連職種21団体の参加のもとで事業の推進にあたっています。その目指したところは、とかく援助の対象から外れやすい医療技術の面に着目し、広範な医療技術に関する技術の振興と国際交流を目的とし、主として開発途上国の「人造り」に医療技術の分野で貢献するとともに、人的交流を通じて、技術移転のみならず、日本と開発途上国との相互理解を深めることでありました。幸い、多くの関係者のご指導とご支援によって多大の実績を残すことができ、2000年10月に第52回保健文化賞、厚生大臣表彰、2009年7月には外務大臣表彰を受賞いたしました。
当面の目標としては、21世紀の国際社会が直面するもっとも大きな課題に取り組むべく、ミレニアム開発目標(MDGs)が設定され、そのひとつに「目標6 HIV/AIDS、マラリア、その他の疾病の蔓延防止」が謳われております。こうした視点からも医療技術の普及と医療技術者の育成が急務と考え、本財団の今後の事業計画を着実に実行していく所存であります。
関係各位におかれましては、本財団への一層のご理解とご支援をお願いいたします。
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